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多良間村 第2回 実施レポート(2023年1月7日~12日)

第1回目を実施してから約1か月半後、1月7日から遂に待ちわびていた多良間村での2回目の「しまむすびワーケーション」が実施されました。

多良間村は、宮古島と石垣島のほぼ中間に位置する多良間島と水納島という二つの島からなる村で、村民のほとんどは多良間島に住んでいます。きれいな楕円形をした多良間島は、人口は1,000名ほど、大きさはハーフマラソンで一周できてしまうほど。こんな小さな島で、今回は5名の方々が「しまむすびワーケーション@多良間」に参加されました。1月7日から12日までの5泊6日の滞在の様子をレポートします。

今回の多良間島でのワーケーションのテーマは、第1回と同じく「アンビバレンス」。
二つの相対する価値観を、どのように共存させるのか?多良間島においては、「環境保護」と「観光振興」の視点がどのように共存可能なのか、参加者の皆さんと体感し考えるプログラムとして企画・実施しました!!
では振り返っていきましょう~

<1日目:1月7日土曜日>

宮古島空港から飛行機で約30分、とても小さな多良間空港に到着後、少し肌寒い風が吹く中、オリエンテーション会場の宿泊施設「夢パティオ」の広場に集合しました。
地域コーディネイターである波平さんがプログラムについての説明を一通り終えた後に、参加者の皆さんに今回のワーケーション用に準備した、『一人一人に気づきを与えるカード』を引いてもらっていました。これは、多良間島でこれから過ごす毎日の中で感じる非日常を自分ごととして考えるキッカケになれば、と自作されたものだそうです。
普段は島とは全く異なる都会で生活している参加者に、自分と多良間島での生活を俯瞰的に見てもらおう!と、多良間島を実感させる「コトバ」を選び、参加者に提供し続ける仕掛けに、とても驚きました。
この日は波平さんと一緒に島の居酒屋で楽しくお酒を交えて、それぞれの旅や仕事のお話で盛り上がり、初日の夜は早めに終わりました。

<2日目:1月8日日曜日>

2日目は最高の天気からスタート、まずは島内を巡る参加者の脚となる、電動キックボードの練習から始まります。こんな機会でないと乗ることも滅多にないので、みんな童心に戻ったように既に楽しそうでした。

この日最初のプログラムは、多良間村ふるさと民俗学習館での、多良間島の歴史・伝統文化についての学習。多良間島出身者である本村さんのお話に、みんな真剣に耳を傾けて聞いていました。展示物の舟や農具に関して、使われていた当時に想いを馳せながら説明する本村さんの言葉に共感するように、参加者からの質問が飛び交い、本村さんも段々とテンションをあげ、予定時間をオーバーしてしまいました。(笑)
また、ここでの説明が午後のプログラム『謎解き集落散策』のヒントともなるということで、皆さん真剣な表情で資料館の展示物を見学していました。

ランチは、観光協会内ワークスペースで、多良間島の黒糖を使用している黒糖カレーをいただきました。美味しくいただきつつ、この時間を利用して午後のプログラムである『謎解き集落散策』の作戦会議も実施。このプログラムは、地元の人でも回答が難しいようなクイズを解きつつ、読解力も求められるゲームで、参加者を2グループに別けて制限時間の中で競い合う、というもの。まずこのタイミングでは、グループごとにどこをどう巡るか?を話し合っていました。
午後は『謎解き集落散策』へ!午前中の移動で慣れた電動キックボードでスイスイ進みながら、島内の史跡や御嶽、そしてマリンショップなど島内各所をあちこち巡り、多良間島での歴史、伝統、文化に関するお題にクイズ形式で回答しながら、自生するフクギの並木をキックボードで通り過ぎて多良間島の風を感じる。都会では味わえない贅沢な時間を存分に堪能しました。

夜は、波平さん宅にお邪魔して飲み会。謎解きの振り返りをしながら、楽しく時間が過ぎていきました。ただ皆さんお疲れだったのか、この日の夜は早めに切り上げました。

<3日目:1月9日祝月曜日>

3日目の朝はひんやりと少し肌寒い中、サトウキビ刈り体験。実は黒糖といえば多良間島!!なんと県内で生産される黒糖の40%は多良間島産なんだそうです。もちろん黒糖の原料であるサトウキビの栽培が盛んで、住宅が密集する中心部を除けば、島のほとんどはサトウキビ畑と言っても過言ではありません!!
地元農家さんの手ほどきを受けながら、参加者は2チームに分かれてサトウキビを刈っていきました。最初は慣れないためゆっくりでしたが、徐々に慣れて作業スピードもアップ。それでも刈ることができたのは畑のごく一部で、こんな果てしない作業をするサトウキビ農家は本当に大変なのだと痛感しつつ、小休止での黒糖とコーヒーがとてもおいしく感じました。

午後からは自由時間ということで、多くの方が自分の仕事をするワークタイムに充てていました。夕方になると美しいサンセットが見れたため、自然と参加者同士が宿泊施設の一部に集合。夕日を眺めた後の夜は居酒屋に繰り出し、気持ちよく酔うことが出来ました。また店のオーナーさんが歌手でもあったため、とても素敵な歌声を聞かせていただき、一同はそんな沖縄らしさに大感動。島ならではの出会いもあり、ますます多良間島が身近に感じられました。

<4日目:1月10日火曜日>

4日目は『マナティ&アウェアネスワークショップ』からスタート。3日目までは多良間島の自然や伝統文化に触れる機会が多かったのですが、ここからは多良間島の「環境」についてワークショップを通じて考える機会となりました。
マナティプロジェクトとは沖縄県全域で徐々に広がりつつあるビーチクリーン活動のひとつ。今回のプログラムは、そこに「気づきの機会」であるアウェアネスワークショップを組み合わせたもので、ビーチに落ちている海洋ゴミをみんなで収集した上で、それらのゴミが分解されるまでのプロセスについて、2チームに分かれて考えていきました。ゴミの種類はペットボトルからビン、発泡スチロール、缶が多く、また地域的には台湾や韓国、タイといった国々から大量に漂着していたのがわかりました。
美しいこの多良間島を自然環境保護の視点でどうするべきか、ひとりひとりが深く考える時間となりました。

お昼過ぎからは宮古市の森に集まり、今度は夕食の準備です。みんなで力を合わせて大型のテントを設営し、魚をさばくチームとジャンキムヌという多良間特有の郷土料理をつくるチームに分かれました。
普段、魚を三枚におろす経験がない参加者たちは大苦戦しながらも、笑顔あり、笑いありの楽しい魚さばき体験となりました。
夕食を食べるころには外の景色は真っ暗となり、キャンプファイヤーを囲いながら、おもいおもいの夜を過ごしました。少し曇ってしまいましたが、星の綺麗な空での贅沢なキャンプファイヤーでした。

<5日目:1月11日水曜日>

遂にプログラムが実施される最後の日を迎えてしまいました。楽しい時間はいつもあっという間に過ぎるものなんですね。

まずはゆっくりの時間でキャンプ場に集合し、みんなでテントの撤収作業。
ここまで来たらみんな慣れたものです。仕事場の同僚みたいに息の合ったチームプレイのような参加者同士で声を掛け合いながら、サクッと片づけてしまいました。ワーケーション中の共同作業時間は、チームビルディング的な役割も充分に果たしてくれそうです。

午後になる前に片付けは完了。日陰に場所をつくり、今回のテーマである「アンビバレンス」についてひとりひとりが感じ、気づいたことを丁寧にシェアしました。みんなそれぞれの意見に賛同し、大変気づきと学びの多い時間となりました。特に答えあわせをするものではありませんが、きっと今回参加してくださったみなさんにとって、多良間島での経験はかけがえのないものになったと思います。

最後の夜は、地元民のサプライズ出演もあり、みんなでカラオケ大会。みんなで歌って、飲んで、踊り呆け…また帰りたくなる故郷のような時間でした。
多良間での自然と文化、歴史に囲まれた濃い時間を、ゆっくりと飲み込みながら、最終日の夜は更けていきました。

<6日目:1月12日木曜日>

あっという間の5泊6日での多良間島でのワーケーションは終わり、多良間空港からまた皆さん都会の日常に戻っていかれました。ただ、きっと心の中にあるものは、到着した時とは全く異なっていることでしょう。
多良間島での「アンビバレンス」それぞれが感じたものを、学んだものをもって、ここ多良間島にこれからも関わってくれたら嬉しく思います。